H-1bで解雇されたら・・・

今回は、米国のH1-Bビザを保持していて、ある日突然、解雇された場合、いつまでアメリカに滞在することができるかについてお話したいと思います。

解雇は、移民法上ではH1-Bを失うことを意味します。猶予期間あるいはグレースピリオドなどという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、実際のところ移民法にそのような期間は定められていません。
しかし、移民局はステータスを失ってからの30-60日内でしたら、他のステータスへの移行を認めてくれる場合があります。但し、認めてくれる「場合がある」だけで、保障はされておりません。
そしてこの手続きは、まさに時間との勝負となります。

前述した通り、法的観点ではH1-Bは解雇されたすぐ後に効力がなくなります。
米国移民局(USCIS)が審査を行う際、一般的に2つの日付を元に失効日を決定する事が多いようです。
一つは給料が発生しなくなった日で、もう一つは最後の給料が支払われる日です。
どちらの日付が採用されるかは、審査官により異なります。

ここで一つ特筆しておきたいのが、この解雇について、移民局は会社から通知がない限り、その事実を知ることができません。
つまり、会社次第で実際の解雇日と報告する解雇日を調整することも可能なのです。
実際に当事務所でも、HR(人事部担当)や関係者に交渉を行い、いくつものケースで、ステータス変更の準備期間を延ばす事に成功しております。

次に、解雇された後に何ができるかについてお話してみたいと思います。

1)履歴書を出し、H1-Bを移行できる会社を探す

2)もし結婚していて、配偶者がF1(学生ビザ)、H1-Bなどのステータスを保持している場合、F2、H4などの配偶者のステータスに変換するための申請を行う

3)F1に変換が可能か学校に連絡し、可能な場合申請を行う

4)米国市民と結婚することで、グリーンカードを申請する(I-130とI-485の提出)

5)Eビザ(投資家ビザ)の申請を行う

6)B-1 / B-2ビザ(観光/短期ビジネス)の申請を行う。但しこれは短期の策で、時間を稼ぐだけの方法になります。

繰り返しますが、法律上で解雇後はすぐさまステータスを失うことになりますので、早急に弁護士と相談することをお勧めします。

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